「改正雇用対策法」が6月1日、参院本会議で可決成立しました。施行日は別途政令で定められますが、一部を除き来年4月となる見通しです。
主な改正点は以下の2点です。
- 募集及び採用時の年齢制限の原則禁止
- 外国人雇用状況届(仮称)の義務化
■募集及び採用時の年齢制限の原則禁止
「労働者の募集及び採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と規定されました(改正雇用対策法10条)。
改正前は努力目標だった求人時の年齢制限について、年齢制限がやむを得ないと認められる合理的な理由がある場合を除いて禁止されることになったのです。
なお、厚生労働省では、平成13年10月の同法改正時に「年齢指針」を出して、年齢制限がやむを得ないと認められる合理的な理由を具体的に示しています。
■外国人雇用状況届(仮称)の義務化
「事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、その者の氏名、在留資格、在留期間、その他厚生労働省令で定める項目について確認し、厚生労働大臣に届け出なければならない(一部省略)」ことが規定されました(改正雇用対策法28条)。
つまり、外国人の就職と離職の度に「外国人雇用状況届(仮称)」をハローワークに届け出なければならないわけです。ただし、特別永住者(在留韓国人、同朝鮮人、同台湾人、およびその子孫)は除かれます。
なお、厚生労働大臣に届け出た「外国人雇用状況届(仮称)」は法務大臣にも提供されることになります(同29条)
【年齢制限がやむを得ないと認められる合理的な理由】
- 長期勤続によりキャリア形成を図るために新規学卒者等を募集・採用する場合
- 特定の年齢層が少なく、従業員の年齢構成の維持・回復を図る場合
- 定年年齢等との関係から採用しても雇用期間が短期に限定され、労働者に十分に能力を発揮してもらえず、また必要な職業能力が形成される前に退職することとなる場合
- 賃金が年齢により決定され、そのことが就業規則に明示されており、求人票の給与額で採用できる年齢層が限定されている場合
- 取り扱う商品・サービスが特定の年齢層を対象としている場合
- 芸術・芸能の分野の表現の真実性のため特定の年齢層の者を募集・採用する場合
- 労働災害の防止や安全性の確保のために特に考慮が必要な業務の場合
- 体力・視力など加齢により一般的に低下する機能が、募集しようとする業務の遂行に不可欠である場合
- 行政機関の施策を踏まえて中高年齢者に限定して募集・採用する場合
- 労働基準法等の法令により、特定の年齢層の就業などが禁止・制限されている業務について、禁止・制限されている年齢層の労働者を除いて募集・採用する場合
(情報提供元:ゆりかご倶楽部)
- by ishiguro-kaikei
- at 2007年06月10日