日本経済新聞は、人材マネジメントの潮流に大きな影響を与える企業において、360度評価が再び脚光を浴びてきたと報じている。一貫した目的は、経営幹部や管理職に部下の目を通して気づきを与え、本人たちのマネジメント能力を高めてもらおうということのようである。特に、若手社員の離職率を引き下げたいという思いもあるようだ。

 確かに「人財が競争資源」の時代である。この競争資源を磨き、人財の価値を高めることは、企業にとってますます重要な課題になってきている。一方、社員にとって一番の不満は、直属上司のマネジメント力である。特に、成果報酬制度が定着してきているため、上司の部下に対する「公正な評価力」というものが、絶対に必要になってきている。

 社員からすれば、社長が常に自分に向かい合ってくれているわけではなく、直属上司が、自分にとって一番身近な存在であり、上司の評価力が、そのまま会社の評価につながる。いい上司に出会えれば、やる気をもって仕事に望むことができる。かたや悪い上司のもとでは、仕事に対するやる気が阻害される。とすれば、何としても管理職のマネジメント力を磨かなければならない。

 それぞれの企業には、あるべき人財像があり、管理職にもあるべき人財像がある。直属上司がこの人財像に合致しているかどうかを、複数の部下が匿名で上司採点することになる。勿論これだけに留まらず、その上司や同僚からの採点も加味する。上から、横から、下からと360度からのチェックを入れ、それぞれのギャップを見ることにも大きな意義がある。

 アタックスでも、360度評価を導入してすでに10年近くになる。自分たちで使ってきた経験からしても、この制度は間違いなくお奨めだ。

(情報提供元:ゆりかご倶楽部)